相続後の土地譲渡税非課税に制限! 平成26年税制改正
長期保有の土地を売却した場合には、20%の税金がかかります。例えば、4千万円で土地を売却すると約8百万円の譲渡税です。
ただし、相続で取得した土地を相続後3年10ヵ月以内に売却した場合には、この8百万円の税金がかからない可能性があります。
譲渡税は、売却価額からその土地の取得費を引いた譲渡益に対して課税されます。
相続後3年10ヶ月以内の売却であれば、その取得費に過去に支払った相続税の額を加算できます(相続税の取得費加算の特例)。
つまり、売却益が支払った相続税以下であれば譲渡税はかかりません。
例えば、相続財産が土地だけで2億円とします。相続人1人として相続税が約4,000万円です。
この場合に、相続後、相続した土地の2割分(全体2億 × 2割=4,000万円)を売却したとします。
昔から所有している土地であれば、当時の取得費は不明です。そのような時は、売却額の5%を取得費とみなします。
したがって、譲渡税は、(4,000万円 - 4,000万円 × 5%) × 20% = 760万円
相続後3年10ヵ月以内の譲渡であれば、支払った相続税の4,000万円を取得費に加算できるので、譲渡益はゼロ、譲渡税も当然ゼロです。
譲渡益は、(4,000万円 - (4,000万円 × 5% + 4,000万円) ) < 0 したがってゼロです。
この「相続税の取得費加算の特例」が改正予定です。
平成25年12月12日に公表された「平成26年度税制改正大綱」に改正案が盛り込まれました。
現行では、取得費として加算できる金額は、土地を売却した相続人が相続した全ての土地に対応する相続税となっています。(上記の例では4,000万円)。この取扱いが下記の通り改正予定です。
取得費として加算できる相続税が、売却した土地に対応する部分のみに制限されます。
上記の例では、取得費として加算できる相続税額は、全体の相続税額4,000万円のうち、売却した2割分、800万円となります。
譲渡税は、(4,000万円 - (4,000万円 × 5% + 800万円) ) × 20% = 600万円
今までが優遇されすぎていたこともありますが、大幅な増税になります。
この改正は、平成27年1月1日以後の相続により取得した土地を売却する際に適用されます。